膵EUS‐FNAで採取された腺房細胞癌の一例

社会医療法人 宏潤会 大同病院
臨床検査部 病理検査 久野 臨

症例

膵EUS-FNA 60歳代 男性

細胞診所見

背景に組織球やライトグリーンに染まる顆粒が認められ、腺房を形成するような形態の細胞集塊が多数出現していた。
細胞質は境界不明瞭で、ライトグリーンに淡染する顆粒が認められた。
核は一部裸核状になり、小型類円形を呈し、クロマチンは細顆粒状で増量していた。
核小体は1個で赤く軽度腫大していた。

組織所見

膵管内の発育を主体とした腺房細胞癌が認められた。
また、同年9か月後、膵頭部断端に再発を認め、手術を施行した。
前回と同様に腺房細胞癌であった。
好酸性の腺房細胞に類似した細胞からなり、腺房構造を呈していた。
電顕的にはチモーゲン顆粒の検出が知られている。
免疫組織化学的にはα1アンチキモトリプシン、α1アンチトリプシンが陽性であった。

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